ボジョレーワインの魅力
ボジョレーとは
フランス北東部リヨンの北に広がる丘陵地、ボジョレー。
ブルゴーニュ地方の南端に位置するこのエリアは、石灰質や花崗岩質など多彩な土壌に恵まれ、繊細でしなやかな赤ワインの産地として知られています。
ボジョレーで造られるワインのほとんどは、「ガメイ」というぶどう品種を使った赤ワイン。
その軽やかでみずみずしい味わいは、日本でも親しまれ、毎年11月の第3木曜日に解禁される「ボジョレー・ヌーヴォー」が特に有名です。
かつてはフランス国内でも静かな存在だったこの土地ですが、大手ネゴシアンがボジョレーヌーヴォーを「その年に飲めるワイン」として大々的に売り出したところ、このマーケティングが大成功して世界中で知られるようになりました。
また、ボジョレーではオーガニック栽培も進み、1980年代にはわずか3軒だったオーガニック栽培の造り手が、いまでは100軒以上に。
現在は、意欲のある若手生産者がガメイの新たな魅力を発信するワイン産地として、注目を集めています。
ガメイを使った赤ワイン

ボジョレーで造られるワインの約9割は、ガメイというぶどう品種を使った赤ワインです。
軽やかでフルーティな味わいが魅力で、その年に収穫したぶどうから造られる「ボジョレー・ヌーヴォー」でもよく知られています。
ガメイはかつて、ブルゴーニュ公国のフィリップ2世に「高貴でないぶどう」と言われ、1395年には「ガメイ禁止令」によってブルゴーニュ本流から追われた不遇の歴史もあります。
しかし、ボジョレーの花崗岩質の土壌はガメイにぴったりで、この地でこそ本来の魅力を発揮するようになりました。
今では、ガメイはボジョレーを象徴する存在。
みずみずしい果実味と親しみやすさで、ガメイ好きの人が「ガメラー」と自称するなど、世界中のワインラバーを魅了しています。
ボジョレーヌーヴォーは美味しくない?
一時期、「ボジョレーヌーヴォーは美味しくない」と言われた時期がありました。
その背景には、ボジョレーヌーヴォーの商業的な拡大による「ワインの大量生産・大量消費」があります。
もともとボジョレーヌーヴォーは、その年に収穫したぶどうで仕立てる「新酒」として、地元の人々が収穫の喜びを分かち合うための、素朴で親しみやすいワインでした。
フランスでマーケティングに成功したボジョレーヌーヴォーは世界中に注目され、とりわけ時差の関係で最も早く解禁できるという日本で大きな盛り上がりを見せました。
1980年代頃には日本のいたるところでボジョレーヌーヴォーの解禁を祝う催しが開かれていたのです。
しかし世界的な需要が高まるにつれ、「いかに早く」「いかに大量に」出荷するかが重視され、発酵期間の短縮や、品質よりもスピード・価格を優先したワインが増えてしまったのです。
その結果、ボジョレーヌーヴォーは「軽い=薄くて物足りない」という誤解が広まりました。
けれども本来のボジョレーヌーヴォーは、早飲みだからこその瑞々しさや果実のピュアな香りを楽しめる特別なワイン。
丁寧に造られたヌーヴォーは、まさに収穫の喜びを感じる「秋のご褒美」なのです。
ボジョレーヌーヴォーの魅力

ボジョレーヌーヴォーの魅力は、何といってもそのフレッシュさとピュアな果実味。
赤ワインでありながら渋みが穏やかで、軽く冷やして楽しめるのが特徴です。
重たくなりすぎず、軽快で可愛らしい味わいのボジョレーヌーヴォーは、チーズやシャルキュトリーはもちろん、和食や家庭料理ともよく合います。
秋の味覚である根菜やきのこ、鶏肉のソテーなどとも相性抜群。
気取らず、旬の食材とともに季節の恵みを味わうのにぴったりです。
また、ボジョレーヌーヴォーは「その年のぶどうの出来を感じるワイン」。
造り手にとっては一年の集大成であり、飲む人にとっても、その年の気候や畑での努力に想いを馳せながら味わう、特別なひとときでになるはずです。
一口ごとに感じるのは、自然の恵みと人の手のぬくもり。
豊かな実りを喜び合うように、1年に一度だけの「旬のワイン」を楽しみましょう。
ボジョレーヌーヴォーご予約受付中
ボジョレーヌーヴォーの楽しみ方

11月の第3木曜日に解禁するボジョレーヌーボー。
ここではボジョレーヌーヴォーの製法や楽しみ方をご紹介します。
ボジョレー豆知識
収穫
ボジョレー ヌーヴォー用のぶどうは全て手摘みで収穫されます。収穫はその年の天候によって異なりますが、大体9月上旬から下旬に行われます。近年は温暖化の影響もあり気温が高い年が多く、収穫も早まる傾向にあるようです。
醸造
ボジョレーではワインの醸造、特にマセラシオンというぶどうから味わいや色を引き出す行程が特徴的です。マセラシオンに用いられる方法は大きく分けて3つ。
その中でもマヴィの生産者さんが行うマセラシオン・セミ・カルボニックは昔ながらの伝統的な方法で時間と手間がかかりますが、ぶどうの味わいをじっくりと引き出します。
▼マセラシオン・セミ・カルボニック (マヴィのボジョレーヌーヴォーはこちらの方法です)
伝統的な製法で、1960年代頃までは主流だった。ボジョレー本来の味を引き出せるが、大量生産できず、また浸漬の期間が長いため技術がないと腐敗する危険性もあり採用しているところは少ない。ぶどうを房ごと、完全に蓋をしたタンクに入れ、20~25度の温度で5~6日間(最大7日間)、発酵によって自然に発生した二酸化炭素の中で浸漬。ガメイ種のもつフレッシュな果実味、滑らかさが出る。
▼マセラシオン・カルボニック
ボジョレー ヌーヴォーの一般的な造り方とされている。ぶどうを房ごと、ボンベから注入した二酸化炭素を充満させたタンクに入れ、完全に蓋をした中で空気を全く通さず2~3日間浸漬する方法。炭酸ガスの濃度が早く高まり、より簡単に色や香りが出て早く仕上がる。
▼マセラシオン・ア・ショー
ショー(chaud)=フランス語で「熱い」という意味。ぶどうを房ごとタンクに入れ、60~70℃という高温の蒸気で30分間加熱。ぶどう天然酵母は死滅してしまうので、発酵のために人為的に酵母を足す。果皮細胞を破壊し 色素を抽出するため短時間で製造できる。
おすすめの飲み方
ボジョレーヌーヴォーは、果実そのもののフレッシュな味わいを楽しむワイン。
飲む1時間ほど前に冷蔵庫で軽く冷やしておくのがおすすめです。
冷やすことで、軽やかさとみずみずしい香りがより感じられます。
お料理は、野菜やきのこ、白身肉などの軽やかな食材と好相性。
繊細な味わいを引き立ててくれます。
シュブランさんのヌーヴォー
ミネラル感ときれいな酸、ほのかなスパイスの風味が魅力。
カレー粉で風味づけしたローストチキンやスパイスを使った野菜料理にぴったりです。
ランポンさんのヌーヴォー
滋味深く、じんわりと広がる大地の香りが特徴。
きのこや根菜など、秋冬らしい素材とよく合います。
スタッフおすすめの「通な」楽しみ方
実は、マヴィのヌーヴォーは時間の変化も楽しめるんです。
一般的には「早めに飲み切る」のが良いとされていますが、
丁寧に造られたヌーヴォーは、時間の経過とともに落ち着いた味わいに変化していくのも魅力のひとつ。
寒い季節ならセラーがなくても大丈夫。
暖房の届かない玄関や納戸など、涼しい場所に1~2ヶ月置いておくと、お正月の頃にはまろやかで落ち着いた味わいに変化します。
「解禁日のフレッシュさもいいけれど、熟したような深みのある味わいも好き!」そんなスタッフもいるほどです。
ぜひ1本はそのまま、もう1本は“年明けのお楽しみ”として取っておいてみてください。
熟成タイプのボジョレーワイン

ボジョレーと聞くと「ボジョレー・ヌーヴォー(新酒)」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はこの地では、熟成に向く上質なワインも多く造られています。
なかでも、ボジョレー北部を中心に高品質なワインを生み出す10の地区は、「クリュ・ボジョレー(Cru Beaujolais)」と呼ばれます。
それぞれの村が独自の個性を持ち、花崗岩や片岩などの土壌の違いが味わいに深みを与えています。
マヴィの生産者、ランポンさんもそのひとり。
彼の畑があるレニエ村は、赤い果実の香りと繊細な味わいのバランスが美しい銘醸地です。
ヌーヴォーのように早飲みでも楽しめますが、1~2年熟成させるとより深みのあるエレガントな表情に変わります。
一言で「ボジョレー」と言っても、その世界は実に多彩。
新酒のフレッシュさから、熟成の奥行きまで——その広がりを知ると、きっとボジョレーのワインがもっと好きになるはずです。
マヴィのボジョレーワイン生産者
ランポン家/アンドレ ランポン
ボジョレー ヌーヴォーで有名なボジョレー地方(フランス)の、中央よりやや北にレニエと呼ばれる地区があります。 ドメーヌのご主人アンドレ ランポン氏曰く、標高350m、気温が穏やかで、谷間の景色も美しく、旅行者に人気の土地、とのこと。
ドメーヌ アンドレ ランポンの畑はわずか3haの広さ(1ha=100m×100m)。小さい…。ランポン氏はこの畑を1977年に購入し、1983年からオーガニック農業をしています。彼は5世代続いている農家に生まれ、自身は1970年から農業に携わっています。奥様も必要な時は作業を手伝ってくれるそうです。
畑と自然を愛するランポンさんの手作りの優しさを感じられる滋味あふれるワインをぜひ一度お試しください。
シュブラン家/ドメーヌ クレ ド ビーヌ

シュブラン家のドメーヌはリヨンの市街地から西に35kmほど、ボジョレー地区南西端の丘陵部に位置しており、南側には標高1,000m級のリヨネ山脈、北側には「黄金の石の国」の異名をもつ、黄土色の石灰質の石でできた建物が並ぶ美しい村々を臨むことができます。
先代のフランソワさんは、元農学校教授。ビオディナミ農法を実践する友人のワインに感動したことから2008年にオーガニック転換を決意し、テロワールを生かすワイン造りを追及します。現在は娘のフローレンスといとこのジェフロワが後を継いで、ビオディナミも実践しています。
2018年には、環境に優しい建築材などを利用した醸造所も新設。ガメイの魅力を皆に伝えるワイン造りを目指しています。
ボジョレーワインと楽しむグルメ

ボジョレー地方のすぐ南にある街、リヨンは「フランスの美食の都」として知られています。
街中には「ブション」と呼ばれる昔ながらのビストロが並び、
ソーセージや煮込み料理、素朴で味わい深い郷土料理を気軽に楽しむことができます。
なかでも、ワインの発酵後に残るぶどうかすでソーセージを煮込んだサボデ・オ・ヴァンは、
まさにボジョレーならではの名物料理。
魚のすり身をなめらかに仕上げたクネル、ポーチドエッグとベーコンを添えたサラド・リヨネーズ(リヨン風サラダ)も人気です。
こうしたリヨンの郷土料理と同じように、ボジョレーのワインも「気取らず、毎日の食卓で楽しめるワイン」です。
ハムやチーズ、きのこのソテー、根菜のグリルなど、身近な料理と合わせても驚くほど調和してくれます。
気軽な家庭料理とも合わせやすいボジョレーのワイン、ぜひ色々なお料理とお試し下さい。



