シュブラン家

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    シュブラン家の産地情報

    フランス・ボジョレー

    ボジョレー地方は、フランス東部のブルゴーニュ地方南部に位置し、なだらかな丘陵地帯と穏やかな気候が特徴です。この地域は、秋に解禁される「ボジョレー・ヌーヴォー」で広く知られています。

    ワイン産地としてのボジョレーは、主にガメイ種を使った赤ワインの生産で有名です。ボジョレーのワインは、軽やかでフルーティーな味わいが特徴で、特にヌーヴォーは、醸造からわずか数週間で出荷されることもあり、新鮮な果実味と爽やかな酸味を楽しめます。

    また、ボジョレーには、クリュと呼ばれる特定の10の村や地区で生産される高品質なワインもあり、これらはより複雑で熟成ポテンシャルも高く、ワイン好きの舌を喜ばせています。

    シュブラン家のドメーヌと畑

    シュブラン家のドメーヌはリヨンの市街地から西に35kmほど、ボジョレー地区南西端の丘陵部に位置しており、南側には標高1,000m級のリヨネ山脈、北側には「黄金の石の国」の異名をもつ、黄土色の石灰質の石でできた建物が並ぶ美しい村々を臨むことができます。

    この地区は古くからブドウ栽培が行われており、およそ2000年前はローマ時代の重要な街道が通っていました。遺跡の発掘調査では数々の居住跡が見つかっています。実際にシュブラン家の畑のすぐ横にはかつてローマ皇帝のシーザーが通ったとされる道があります。

    現当主のフランソワさんは祖父の代からワイン農家をしており、少なくとも5世代前からぶどう作りを行っている家系です。

    当時地元の農業高校で教鞭をとっていたフランソワさんは、彼の父が引退するのを機にドメーヌを引き継ぐ決意をしました。奥さんのマリーテレーズさんは研究所で幹部職を務めながら3人の娘を育て上げたキャリアウーマン。彼女も90年代には家庭とワイン造りの仕事に専念するため、退職を決意しました。

    シュブランさんのドメーヌ名である「クレ ド ビーヌ」はオーガニック農法でワインを造ることに対する深い思いが込められています。

    シュブランさんたちの家は「ビーヌ(bine)」と呼ばれる場所にあります。これは古い言葉で、「土の表面を耕す」という意味の(biner)という動詞に由来しています。土を耕すこと、これはまさにオーガニック農法でシュブランさんたちが実践していることです。また、ドメーヌは「クレ(cret)」 と呼ばれる急斜面に位置しています。この高度400mの丘は、長い長い年月をかけてなだらかになったのだそうです。

    シュブランさんたちはドメーヌを名付けるにあたって、この土地の歴史や、今まさに実践していることを示している ≪ CRET de BINE ≫という言葉を使うことにしました。

    オーガニックへの取り組み

    オーガニック歴認証は2010年より

    シュブランさんたちがオーガニック転換したきっかけは、フランス南部でビオディナミ農法を実践する友人との出会いでした。友人の造る、その土地(テロワール)の特徴を反映した、品質、味ともに優れたワインに感銘を受け、EUのオーガニック認証と、ビオディナミの認証であるデメターを同時に取得することを決意したのです。それは決して簡単なことではなく、フランソワさんたちにとっても大きな、勇気ある決断でした。

    オーガニックでのワイン造りには病気や不作による収穫量の現象など困難がつきものです。また、除草剤、殺虫剤などを使わないため肉体作業も増えます。

    しかし、そんな数々の困難がありながらシュブランさんたちはオーガニックでぶどうを育て、ワインを造るこの仕事が好きだ、と言います。科学的な薬品を使わず、自然がありのままに凝縮されたワインを生産していることを、心から誇りに思っているのです。

    シュブラン家で栽培している主なぶどう品種

    白ぶどう:ガメイ

    黒ぶどう:シャルドネ

    シュブラン家のワインづくり

    畑の土壌

    オーガニック、ビオディナミの実践でシュブランさんたちの畑の土壌はよみがえりました。たくさんの植物、みみずなどの虫たちが共生する畑は、腐植土が形成されて色が琥珀色に変わってきたがはっきりと見て取れるのだそうです。柔らかく耕された土壌にはぶどうの根が深く張りめぐり、ワインの仕上がりによりその土地の特徴が反映されていきます。

    畑の広さは8haですが、実際に稼働させているのは6ha。ビオディナミ農法で丁寧に全体に気を配って実践するのに最適な範囲で取り組んでいます。

    土壌はミネラル分豊かな花崗岩質でできています。

    醸造方法などの特徴

    収穫はもちろん手摘み、醸造は、長年マヴィのボジョレーヌーヴォー造りの大切なパートナーだったドアットさん(現在は生産終了)と同じ、ボジョレー地方の伝統的な醸造法であるマセラシオン・セミカルボニックを実施しています。

    安価で流通するボジョレーヌーヴォーで使用されるマセラシオンアショー(熱を加え、色などを抽出する方法)に比べると時間と手間がかかる昔ながらの方法です。シュブランさんのドメーヌでは、25℃を超えない低温管理でゆっくりと行います。

    酵母は、もちろん自家採取したもので、市販のものは一切使いません。また醸造中に発酵をコントロールするための二酸化硫黄の添加もせず、瓶詰めの際にわずかな気体を吹き込むのみです。

    こうして昔ながらの製法で丁寧に造られたシュブランさんのボジョレーは、畑の特徴をそのまま感じられるような、素晴らしい作品となるのです。

    目指すワインの味わい

    シュブランさんが目指すワインはもちろん畑の特徴(テロワール)を生かしたワイン。

    ミネラル分豊かな花崗岩質の畑から採れたぶどうで造られるワインは、きれいな酸味と個性的なミネラル感を楽しめるバランスの良い仕上がりとなっています。しかも、オーガニックを実践し始めてからは、よりその特徴がワインに表れるようになったそうです。

    生産者メッセージ

    生産者から日本の皆さまへ

    オーガニックこそ、ワイン栽培の将来像だと信じています。健康上の問題、環境保護の観点、また様々な技術を駆使したワインと異なり、味の特性を存分に表現したワインをお客様に提供できること。

    私たちはオーガニックワインの市場が拡大することを望んでいます。それには、国内の大きな仲介業者を通すことなく、生産者が直接輸入者と関係を築けることが必要と思います。そういう意味で、今回マヴィと取引できることが、まさにその実現であり、とても嬉しく思います。

    日本の皆さん、私たちが丹精こめて作ったワインをどうぞ味わって下さい。私たちのテロワールを存分に感じて頂けるように、できる限りの力を注いで仕上げました。お飲みになった印象や、お気持ちなど、聞かせて頂ければ嬉しいです!

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