ピノグリ(ピノグリージョ)

7 個

    アルザスの高貴品種の1つでもあるピノグリ。ハンガリーではトカイと呼ばれる品種です。土地によって違いはあるものの、その糖度の高さや芳醇な味わいから世界中にファンが広がっています。

    ピノグリとは

    辛口の白ワインやヴァンダンジュタルディヴ(遅摘みの天然甘口ワイン)の原料として使用されるブドウ品種で、誕生はブルゴーニュ地方、ピノノワールの亜種とみられています。ノワールは黒、ブランは白、グリは灰色を表すフランス語で、イタリア語だとそれぞれネッロ、ビアンコ、グリージョとなります。一般に赤ワイン用のぶどうの皮の色が黒っぽい濃い紫色、白ワイン用が緑色だとすると、このグリは薄い赤紫、日本の品種で言うと甲州やデラウエアのような色合いのぶどうになります。

    ピノグリは、フランスではアルザス地方でその大部分が栽培されています。フランス以外ではそれぞれ名称も変わりますが、ハンガリー、ドイツ、オーストリア、そしてイタリアなどで栽培されています。

    ピノグリの特徴は?

    ぶどう栽培ができる地域の中では、もっとも寒い地方で育つ品種の1つです。冬の寒さや春先の霜にも強いのが特徴で、基本的に糖度が高く、酸味は少なめのブドウが育ちます。温度が高すぎる地域の場合、できあがるぶどうは酸味に欠け、骨格のない、アルコール度数が高すぎるバランスの悪いワインになってしまうことがあります。

    大きさとしては、ブドウの房も実も小ぶりで、実がぎっしり詰まることはあまりありません。比較的早熟の品種です。

    ピノグリの香りや味わいの特徴は?

    パイナップルやマンゴーといったトロピカルフルーツやアプリコットのような果実の香り、そしてレモングラスのようなハーブの香りに加え、蜂蜜や蜜蝋のニュアンスも感じられます。辛口タイプの場合、滑らかな口当たり、フルーティでありながらもふくよかさもあり、余韻も長く楽しめます。

    また天然甘口タイプの場合、蜂蜜やほんのり香るスパイスの印象、スモーキーさを感じることもあります。まさに芳醇という言葉がふさわしい味わいで、非常に満足感の高い1杯となります。

    ピノグリの基本マリアージュ

    辛口タイプの場合、白ワインながらしっかりとした骨格とたっぷりとした飲み口から、豚肉を使った料理全般によく合います。アルザス名物のシュークルートをはじめ、前菜に登場するパテ・アンクルート(パイ包されたパテ)などにも良いでしょう。魚介類であればバターを使ったソテーなどが良い相性です。

    甘口タイプの場合、レモンやオレンジ、グレープフルーツを使ったタルトやケーキ、ブルーチーズ、などとの組み合わせは抜群です。