セミヨン

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    世界で最も有名かつ高貴な甘口ワイン、貴腐ワインの原料となるセミヨンは、フランスボルドー生まれで今では世界中に広まっている品種です。

    セミヨンとは

    フランスのボルドー、さらに限定すれば名だたる貴腐ワインのメッカ、ソーテルヌ村がその発祥の地とも言われるセミヨンは、高級甘口ワインはもちろん、辛口白ワインの原料としてもポテンシャルの高い品種です。

    かつてセミヨンは、ボルドーの白ワイン用品種では一番多く栽培されており、20世紀の初頭は3万ヘクタール以上あった栽培面積は、ソーヴィニヨンブランの台頭により、2000年以降は半分以下になっています。一方、その魅力は海外に広まり、チリを筆頭にオーストラリア、スロベニア、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカとまさに世界中で栽培されています。フランス国内ではボルドー、南西地域以外ではプロヴァンス地方のAOCに使用されています。

    セミヨンの特徴は?

    なんと言っても、1番の特徴は灰色カビがつきやすいことですが、これこそが気候条件が整った時に、貴腐菌という形でぶどうの糖度が凝縮し、えも言われぬ香りと味わいを生み出すのです。ぶどうの皮に厚みがあるのも貴腐菌がじっくりと作用するのに役立ち、実を破裂させることなく最適な状態になります。それに必要な気候条件が、早朝に霧に覆われて水分がたっぷりありながら、日中はしっかりと太陽が当たるというもの。これにより、菌がしっかり繁殖しつつ、ぶどうの水分が抜けていって糖度がグッと凝縮するのです。その条件が整った土地が貴腐ワインの王様を生み出すソーテルヌです。

    樹勢は強くも弱くもないものの、生産力は高い品種です。ただし、テロワールによって収量が大きく変化します。砂利の土壌ともっとも相性がよく、粘土砂利質、石灰質の土地にも適しています。実は丸く、中程度から大粒で、房も大きめです。

    セミヨンの香りや味の特徴は?

    セミヨンは、シャルドネを思わせるような骨格のしっかりとしたワインになりますが、味わいはピノグリやソーヴィニヨンブランに近しいと言えます。辛口白ワインの場合も貴腐ワインの場合も、ソーヴィニヨンブランやミュスカデルとブレンドされることが多いですが、貴腐ワインの場合はセミヨンが主体でごくわずかの比率でそれらの品種がブレンドされます。

    セミヨン主体の貴腐ワインの特徴は、若いときは柑橘類、アカシア、ハチミツ、アプリコットなどの香りで、甘いながらも綺麗な酸味がそれを支えてバランスよくすっきりと飲めます。熟成が進むとより複雑さを増し、煮詰めた果物や口いっぱいに広がる濃厚さ、そして余韻の長さも際立ってきます。

    セミヨンの基本マリアージュ

    セミヨンという品種の特徴と、独特の気候条件が生み出す、類まれなる貴腐ワインの定石の組み合わせはフォワグラ、そしてブルーチーズです。リ・ド・ヴォー(仔牛の胸腺肉)やオマールなどといったご馳走メニューが並びます。一方で、少し冷やしてナッツなどと共にアペリティフとしていただくのも甘みと酸味が心地よく食事へと誘ってくれます。また、フルーツを使ったタルトとも好相性です。

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