【大切なお知らせ】「オーガニック」表記に関する法律の変更と弊社の対応について

いつもマヴィのオーガニックワインをご愛顧いただき心より感謝申し上げます。

私たちの存在意義とも言える「オーガニックワイン」という言葉の表記について、このたび法律が変更されることになりました。
こちらは、その変更点とそれに伴うマヴィのこれからについてのお話になります。

オーガニックワインをご購入くださっているお客様にとっても大事な内容となると思います。お目通しいただければ幸いです。

 

ざっくりまとめると…

◆今まではEUのオーガニック認証を取得しているワインは、日本国内で「有機」や「オーガニック」と表記して販売することができていました。→オーガニックワインとは

◆JAS法の改正によりJAS規格の対象に有機酒類が追加されることになりました。この改正により、日本国内で「有機」や「オーガニック」と表示するには、有機JAS認証を取得することが義務付けられます。

◆有機JAS認証を取得するためには、登録や維持に相応の費用を要し、結果としてワインの値上げにつながってしまいます。

◆マヴィは「オーガニック」という言葉を使わない判断をいたしました。けれどもマヴィがお届けするワインの選択基準はこれまでと一切変わらず、皆様に安心して楽しんでいただけるワインをお届けします。

 

詳しい背景とマヴィの想い


1. 法改正による「オーガニック」表示のルール変更について

これまで日本では、EUオーガニック認証を取得しているワインについては「オーガニックワイン」と表記し販売することが認められてきました。

しかし2025年10月1日(※)より、日本国内で「有機」「オーガニック」「ORGANIC」と表示するには、有機JAS認証を取得し、有機JASマークを付すことが義務付けられます。
有機JAS認証を受けていない商品に「オーガニック」という言葉を使うことは罰則の対象にもなります。

背景にある有機JAS法改正と管轄の変更について

これまでワインを含む酒類は国税庁が管轄していたため、国税庁の告示に基づいて「オーガニック」や「有機」の表示ルールが定められていました。つまりEUのオーガニック認証を取得したワインについては日本でも同等性が認められ、「オーガニックワイン」「有機農産物加工酒類」と表記して販売することができていました

今回の法改正で酒類が有機JAS制度の対象に含まれることになりました。有機JAS制度は農林水産省の所管となるため、国税庁の告示に基づく表示ルールが廃止され、農林水産省の有機JAS規格が適用されます。

農林水産省の定める有機JAS規格では、同等性があると認められている諸外国のオーガニック認証を取得しているワインであっても、日本国内でも登録認証機関による有機JAS認証を取得し、有機JASマークを貼付しなければ 「有機」や「オーガニック」と表示することができなくなりました

有機JAS認証の取得が義務化されるのは、日本の有機JASが海外のオーガニック規格より厳しい基準を持っているからというわけではありません。

今回の表示の変更に関してはあくまで「酒類の有機表示を管轄する役所」が変わったことによるルール上の問題であり、これまでの「オーガニックワイン」の栽培や醸造方法、品質は何も変わらないのです。

なぜ、酒類を有機JASの対象に含めることになったか

酒類を有機JASの管轄に含めることになった目的として、日本から海外へ輸出される日本の有機酒類(オーガニック日本酒など)の規制緩和があります。有機酒類を輸出する際に、JAS法に基づく認定を受けていれば、日本と同等性があると認められている外国・地域における有機認証食品と同等性があるとされ、現地での認証を受けずに、「有機」「オーガニック」と表示して販売できるようにするという目的が挙げられています。

日本の生産者の手数料や手間を省くことができるという理由ですが、一方で、先ほど説明した通り、輸入したワインを日本で販売する際には、EU等の同等性のある国や地域のオーガニック認証を取得していても、改めて日本でも有機JAS認証を取得しなければならない事態となりました。

※経過措置期間として、2025年10月1日以降に通関するワインは新法に則って流通しますが、それ以前の通関したワインに関しては2025年10月1日以降も「有機」「オーガニック」「ORGANIC」の表示がある状態での販売が可能です。


2. 小さな輸入会社にとっての有機JAS認証のハードル

有機JAS認証は取得するために、登録認証機関への申請費用・審査費用・維持費用などが必要になり、特にマヴィのような小規模事業者にとっては大きな負担となります。実際私たちが取り扱うワインについては、これまでと何ひとつ変わりがないのです。

現状の規模ではこの負担をすぐに吸収することは難しいのが実情です。

3. 価格維持の難しさと葛藤

近年の円安、ウクライナ戦争によるヨーロッパのモノ不足と物価高騰、中東情勢悪化でスエズ運河の航行ができないことによる海上輸送費高騰等により、輸入ワインの原価は大幅に上昇してきました。現状の価格の維持が難しい状況に加え、ここに有機JAS認証の費用が上乗せされることで、さらにお客様のご負担を増やすことは避けたいと考えました。
私たちは「生産者の想いと品質をお客様にお届けする」という使命を最善の形で実行できる方法として、表示のための値上げを避けることを選びました。

4. 今後の表記について

そのため、2025年10月以降の輸入分のワインに関しては「オーガニックワイン」という表記は行わず、代わりに 「ビオロジック農法のぶどうを使用」 という表現を用いることにいたしました。
ビオロジック」とはフランス語で「オーガニック」を意味する言葉であり、日本国内では規制がなく、農法を伝える言葉として使用することができます。また、マヴィの一部の生産者は「ビオディナミ農法(バイオダイナミック農法)」も実践しており、こちらも表記いたします。

「オーガニック」という表記はなくなりますが、より一層マヴィの生産者のこだわりや魅力を詳しくお伝えすることで、皆さまに安心してワインを手に取っていただけるようにいたします。

5. 変わらない私たちのこだわり

「オーガニック」という表現を使わなくなっても、ご紹介するワインそのものも、選択基準もこれまでと変わることは何1つありません

私たちが選ぶのは、EUオーガニック認証を取得したワインであることに加え、今までもこれからも生産者が生き方として選択したやり方で、畑の土づくりから醸造、熟成、出荷までを手がけたワインを、誇りを持ってお届けします。

1998年からオーガニックという言葉に真摯に向き合い、ときには大きな組織とぶつかりながら話し合いを続けてきたマヴィにとって、今回の法改正について、正直に言えば大きな衝撃と落胆もありました。代表の田村は何度も大使館などに足を運び、話し合いや調整を続けておりましたが、残念ながらEUオーガニック認証のみでの「オーガニック」表記は認められず、社員一同が悩み抜いて今回の結論にいたりました。今でも悩みながら進んでいる気持ちもあります。

ラベルの言葉は変わっても、私たちの基準や想いは変わりません。これからも安心して楽しんでいただけるワインをお届けすることをお約束します。


今後とも、マヴィのワインを何卒よろしくお願い申し上げます。

 


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