Barrow family
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フランス南西部に位置するガスコーニュ地方は、ピレネー山脈と大西洋に近い豊かな自然環境が広がる地域です。ガスコーニュは、美しい田園風景や美食文化、特にフォアグラやアルマニャックの生産地としても有名です。
ワイン産地としてのガスコーニュは、特に白ワインの生産で知られています。ユニ・ブラン、コロンバール、グロ・マンサンといった地元品種が使われ、フレッシュで爽やかな酸味と果実味が特徴です。
バロー家は、フランス南西部・ガスコーニュ地方の丘陵に位置し、3世代にわたって続くドメーヌです。「アルマニャックの都」として有名なオーズという街の近郊で、バローさんたちもアルマニャックを造っています。
この地はかの有名なアレクサンドル・デュマの「三銃士」の主人公ダルタニアンの出身地としても知られています。
現当主は妻と3人の子供を持つダミアン。彼が2001年にオーガニックへの移行を決意し、2004年にオーガニック認証を取得しました。
オーガニック歴:2001年(認証は2004年より)
バロー家のあるガスコーニュ地方は、他のぶどう産地にくらべ比較的湿度の高い海洋性気候の土地。湿気によってもたらされるぶどうの病気などのコントロールが難しいため、オーガニックでのぶどう栽培には高い技術と忍耐が求められます。
そのためこの地方で実際にオーガニックに取り組んでいるドメーヌはほとんどないそう。しかしバローさんたちはそんな環境の中でオーガニックでのワイン造りにチャレンジできていることを誇りに思っています。
・白ぶどう:コロンバール、ユニブラン、グロマンサン、ソーヴィニョンブラン
・黒ぶどう:メルロー、カベルネソーヴィニヨン、ピノノワール、カベルネフラン
バローさんが造る白ワインはフレッシュできれのある味わい。
早飲みに向いているため、毎年1月末頃にできるワインは、年間で売り切るようにしています。また、品質安定のために、低温管理を徹底しています。白ワインは5℃、甘口ワインは0~2℃という温度帯を維持するようにしているそうです。
バロー家のワインキャトル セパージュはフランス語で「4つの品種」という意味です。
このワインにはガスコーニュ地方の代表的な4つの品種(コロンバール、ユニブラン、グロマンサン、ソーヴィニヨン)が使われています。
4つの品種を扱うのには大きな意味がある、とバローさんは言います。
まずは品種ごとに畑を壇状に増やすことできるので、気候変化や病害のリスクを抑えられること。次に、品種によって収穫時期がずれるので、時間の管理がしやすくなり、醸造にかける時間を最大限活用できること。
そして何より、互いを掛け合わせることでより良いワインへの可能性を探れることが一番の醍醐味なのだそうです。
使っている4品種は、この地方でよく成長する特にアロマの表現が豊かなもので、ちょうど香水における調香のように、各品種の割合は年によって調整をしていて、柑橘系、つげ、熱帯の果実のアロマがバランスよくフレッシュ感とともに口に広がるよう、仕上げています。
「これらの品種はそれぞれ特徴が異なり、互いを補いあう関係なので、言うなれば、私にとっての『四銃士』ですね」とガスコーニュ地方で有名な「三銃士」にかけて教えてくれました。