ラビュゾン家
3 個
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ボルドーのグラーヴ地区は、ガロンヌ川沿いに広がる歴史的なワイン産地で、その名の通り砂利質の土壌が特徴です。この土壌は水はけが良く、ブドウに適度なストレスを与えるため、品質の高いワインが生まれます。赤ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを主体に、複雑でしっかりした構造を持つ一方、白ワインはソーヴィニヨン・ブランやセミヨンを使い、フレッシュでフルーティーな味わいが特徴です。
グラーヴ地区ランディラス村にドメーヌと畑があります。ランディラスは貴腐ワインで有名なソーテルヌに程近く、こちらでも赤ワイン・白ワインに加えて、貴腐ワインも造られています。 大西洋気候ですが、ランド県の森のお陰で、大西洋から来る風は遮られています。気温はつむじ曲がりなところもあって、やや高め。畑のある場所は平地で、畑の一部は石が多く、また一部は粘土・石灰質と砂が多い土質になっています。
ラビュゾン家に残る最古の記録によれば、1668年時の先祖がすでにぶどう農家をしています。それ以来、何世代もずっとワイン造りをしています。
オーガニック歴:有志以来(認証は1963年から。フランスのオーガニック認証の礎となる認証制度の頃から認証取得しています)
先代のポーレットさんが1963年にオーガニック認証を取得し、フランス農水省のオーガニック認証についての機関の立ち上げにも関わったというまさにパイオニア的存在。
2008年に当時82歳だった彼女は「ワイン作りは神様が呼ぶまでやるよ!」と話していましたが、その後視力が低下したため引退。 ポーレットとは別に自身の畑を運営していた息子のピエールと、孫のアドリアンがポーレットの畑も引き継いでワインづくりを行っています。 ポーレットがオーガニックを始めた理由は「子孫達に美しい地球を残していくため」でしたが、彼女の畑はしっかり子供達に受け継がれました。
ポーレットの時代から畑に与える養分は海藻、岩の粉、馬の糞、緑肥といった自然由来のものばかりで、それは今でも変わっていません。 病気の対策も同じく硫黄や植物を煎じた液体などの天然由来のものと、少量のボルドー液のみ使用します。
ラビュゾン家は農家民宿も行っていて、事前に予約をして宿泊することもできます。 ラビュゾン家の生活は野菜や果物は庭の菜園で取れたものばかり、パンは毎週マルシェに出しているオーガニックパン屋さんに1週間分を注文。土に還るものは全て庭に戻し、紙類などは庭で燃やしてしまいます。ワインづくりはもちろんのこと、生活全体がオーガニックなラビュゾン家です。
土壌は、一部は「グラーヴ」の名の通り石が多く(グラーヴとはフランス語で砂利の意味)、一部は粘土・石灰質と砂が混じる土壌になっています。 畑に転がる小石が昼に熱を保治、夜に放つことによる寒暖差がぶどうに良い影響をもたらします。 畑はすぐそばには森があり、ラビュゾン家はこの森も所有していて、広さは約100ヘクタール、ぶどう畑は23ヘクタールあります。ラビュゾン家はワイン作りと並行してこの森も大切に守っています。
収穫のタイミングには注意を払っており、ここ!という時に一気に終わらせるため、6ヘクタール分を1日で済ませます。実が完熟するのと腐るのとは紙一重、それくらいギリギリまで収穫を待ち、ちょっと熟し過ぎたぶどうが少し出た時に一気に行います。収穫日は糖度などを計って決めますが、最終的にはぶどうの種をかじりタンニン分を自分の舌で確認して決めます。
先祖代々の家業であるワイン造りの中で、土にいつまでも残ってしまう化学物質を使わずに、子孫達に美しい地球を残していくためにずっとオーガニック農業を実践しています。
どれだけ長い間繰り返しやってきて経験を積んでも、自然を相手にしていると想いもよらないことが起きるのは当たり前で、何年経っても新しいことばかりです。
蔵の状況、天候、ぶどうの状態・・・色々ありますが、わたしたち醸造家は、その年、その時の条件のもと、いい年・悪い年の区別なく、ただ自分たちのできる最善を尽くすだけです。そんな私たちのワインをぜひ味わってみてください。