ロヴェロ家

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    ロヴェロ家の産地情報

    イタリア・ピエモンテ

    ピエモンテ地方は、イタリア北西部に位置し、世界的に有名な高品質ワインの生産地です。ネッビオーロ種から作られるバローロやバルバレスコが有名ですが、ピエモンテ全域で栽培されるバルベーラは特に酸味が豊かで果実味のあるワインを生み出す品種です。アルプス山脈の影響を受けた冷涼な気候がワインの酸味と複雑な風味をもたらします。

    ロヴェロ家のドメーヌと畑

    力強さと洗練性を兼ね備えたワインをつくるロヴェロ家のドメーヌは、イタリア北部のピエモンテ州アスティ県の人口1000人の小さな町、サン マルツァノット(アスティの町からは車で20分ほど)にあります。

    敷地は20haほどで、うちぶどう畑が16ha、その他の野菜や果樹を育てたり、養蜂を行なったり、アグリツーリズモとして宿泊施設や、スローフード協会にも登録している予約制のレストランも運営しています。

    レストランではオーガニック農法で栽培した自家製の野菜や果物を使って郷土料理を提供しています。また醸造所の屋根には太陽光パネルを設置して、敷地内で必要な電源は全て賄っています。

    オーガニックへの取り組み

    オーガニック歴:1985年から(認証は1987年)

    ロヴェロ家は少なくとも1880年から続くワイン農家ですが、1985年に「化学合成物質のない場所で暮らし・働くため、また私たちの美しい大地を救い・守っていくため」にAIAB(イタリアの認証機関)の認証を取得してオーガニック転換しました。

    現在、ドメーヌの中心人物は三つ子のパパでもあるエンリコですが、オーガニックに転換し現在の姿へと近づけていったのは、エンリコの父親であるミケリーノとその兄弟であるクラウディオ、フランコの三兄弟です。とても直向きで真面目なロヴェロ一家は「もしも今後も緑豊かな大地で暮らしていきたいなら、化学物質が少ない農業に立ち返る必要がある。このことを田舎に暮らす人々だけでなく、田舎にやってくる人々にもよく理解してもらわないといけないと思う。」と語っています。

    また、ロヴェロ家のドメーヌは、ワインだけでなく、ぶどうの搾りかすを使って蒸留するグラッパ、白ワインを蒸留するブランデーも全てオーガニックで造っています。特に蒸留施設はイタリアでも120ヶ所しかなく、ロヴェロ家はそのうちの1つであり、オーガニックであることはかなり希少です。

    また、農家民泊と農家レストランも一家で経営しており(エンリコの奥さん、お母さんや叔母さん、いとこなど総動員)、そこで使われる野菜や果物、蜂蜜なども育てていて、それらも全てオーガニック認証を受けています。

    ロヴェロ家で栽培している主なぶどう品種

    • 白ぶどう:リースリングイタリコ、コルテーゼ、ソーヴィニヨンブラン、モスカート
    • 黒ぶどう:バルベーラ、グリニョリーニョ、ブラケット、ピ ノノワール、メルロー、カベルネソーヴィニョン、ネッビオーロ
    ロヴェロ家のワイン作り

    畑の土壌

    土壌は粘土石灰質ですが、傾斜が30度もあり、水はけは良くなっています。ロヴェロ家のドメーヌ最高級のワイン、ロウヴェを生み出す畑は3kmほど離れたところにあり、そちらは砂質の土壌でワインの香りにより繊細さが現れます。

    ピエモンテ地方はアルプスの影響も受け、冬は冷涼な気候ではありますが、ロヴェロ家のある場所は地中海性気候のため、夏は気温は35℃まで上昇し、成長期・結実期・夏の終わりには太陽がよく照ります。雨もしばしば降りますが、全体の量としてはさほどではなく、合計で年に600~700mmです。

    栽培方法などの特徴

    • 地面は木の下の部分だけ草を刈り、畝には残す。畝には草花の種を撒く。植物の根が張ることで土の中に空気が含まれ、微生物も活発になる。
    • 仕立てはグイヨ方式 
    • 収穫は全量手摘みで、大体9月から始め4~5週間、ぶどうの状態を見ながらゆっくりと時間をかけて行う。一般的には人手の問題で、なかなかこのように丁寧な収穫は難しいが、ここはドメーヌ内の全員(家族)で行うことで、それが可能に。

    醸造方法などの特徴

    【ぶどうの漬け込み(マセラシオン)について】

    • グリニョリーニョなどの軽めの赤ワインは3~4日間くらい
    • バルベーラは大体7日間くらい
    • ロウヴェはより長く、20日間ほど

    【樽の使用について】

    • 樽はすべてフランス製で、ボルドーとブルゴーニュ両方の樽を使い、複雑さを出している
    • 新樽を白ワイン(ソーヴィニヨンブラン)に使用
    • 白ワインで一度使用した樽を赤ワイン(ロウヴェやネッビオーロ)に使用
    • 赤ワインで7〜8年使った樽をグラッパやブランデーに使用

    【ロヴェロ家のグラッパについて】

    • ロヴェロ家のマセラシオンの後、果汁を搾った搾りかすを使用
    • 世の中の99%のグラッパが樽熟成をしない、無色透明のグラッパだが、ロヴェロ家のグラッパはロウヴェなどの高級赤ワインが眠った後の樽を使って熟成している非常に希少なもの
    • モノセパージュのグラッパはめずらしく、ロヴェロ家のこだわりのひとつ
    生産者メッセージ

    私たちはバルベーラひとつとっても、シンプルな味わいのものから、すごく複雑なものまで4種類のワインを造っています。そのどれもが自分にとって本当に大切です。全てのぶどうがロウヴェ(最高級)に向くものではないし、求められているワインもさまざまで、ふさわしい出番もさまざま。何よりもまずはその年にどんなぶどうができたか、そこからはじまるつながりが大切に思えます。

    「こういうワイン」と決めて、固めてしまうことには興味がありません。気候条件から、グランヴァンが生まれるような年も、あまり強いワインにならない年も、どんな年も自然に向き合うことなので、それが本当に楽しい。ワイン造りは仕事というより、本当に大好きなことなのです。実験しながらいろいろ試していくのも楽しいし、その時々でベストを尽くすのが本当に楽しいです。

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