Pintu y Cruz family
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ポルトガルのドウロ地区は、ポートワイン(ポルト)の生産地として有名で、険しい渓谷とテラス状のブドウ畑が特徴です。乾燥した暑い夏と冷涼な冬が、力強くフルボディな赤ワインを生み出します。特にトウリガ・ナシオナルなどの土着品種が使われ、凝縮感のある深い風味が特徴。長期熟成にも適しており、ポートワインだけでなく、スティルワインのドウロも高品質なものが多いです。
ピントゥ イ クルスさんの畑は、底に細いトルト川が流れる谷の、その両岸全てがぶどうの段々畑になっている中にあります。谷間にある村の名前はサン ジョアン ダ ペスケイラです。
そこでは畑は高度によってクラス分けされており(山の上の方になるほどブドウの品質は落ち、谷間の川に近い方ほど質が良い。A&Bクラス=海抜90-350m、C&Dクラス=350-450m、Eクラス=450m以上)、ピントゥ イ クルス家の43haの畑は全てAクラス(90-300m)です。
醸造所は急傾斜地にあるため狭く、少量しか生産できないので、自家醸造に使うのは最上の質の果実のみです。その量は全体のたった20%だけ。 残りは大手ワインメーカー(サンデマン)に売っているそうです。
オーガニック歴:1994年から
カザウ ドスジョルドスは創業1870年という老舗です。1994年にポルトガル政府がオーガニック転換に対する補助金を設けたのをきっかけにオーガニック転換し、その後国内外のコンクールで40以上に及ぶ賞を獲得し、ピントゥ イ クルスさんにとっては結果的に最良の選択となりました。
マヴィがお付き合いを始めたときの当主であったアルリンドさんがオーガニックをスタートさせ、アルリンドさんが亡くなられた後は、娘婿さんが跡を継いでいます。
栽培するぶどうの8割を大手ワインメーカーに販売していますが、ぶどうは全てオーガニック農法で栽培しています。
土壌はシスト(片岩質)。こんなところに植物が育つのか?と思えるほど荒々しく、岩山がはがれたような石だらけのところ。こんな土壌ですが、きちんと耕されているお陰で意外にも地面はふかふかとしています。畑の傾斜は15〜35度もあり、古くからの機械が入れない畑はロバを使って作業しています。新しいところは、トラクターが入れるギリギリの幅で整えています。
収穫したぶどうは機械で潰して石桶(ラガレス)に移し、人間の足でさらに良く踏み潰して、一次醗酵させます。足で踏む方法はピサと呼ばれます。その後、ステンレスタンクに入れて二次醗酵。
ほとんどの生産者はプレス機で潰したらそのままステンレスタンクで醗酵させますが、ピントゥ イクルスさんによると、足踏みをする古式製法の方が果実が完全に潰れるので、より良いワインが出来るそうです。欠点は生産性が悪いこと。それが出来るのは彼が少量生産農家だからこそです。
タウニーはステンレスタンクで7ヶ月から1年置き、樽に移して保存。
オフィスには数え切れないほどの賞状、メダルが飾られています。
アメリカ、フランス、ドイツ、スイス、オランダ、イギリス、スロヴァキアのコンクールまで、あらゆるところで受賞。もちろんオーガニックワインのコンクールに限っているわけではなく、出品するもの全てがたいていは入賞している実力派です。