ワインに関する素朴な疑問やマニアックな質問に、フランス・ボルドー大学で学んだマヴィのソムリエ 塩澤悠がお答えします!

9月に入り、少しずつ秋の気配が感じられる日も増えてきました。
秋といえば、11月の第3木曜日に迎えるボジョレーヌーヴォー解禁日。
これから数回にわたってボジョレーヌーヴォーに関わるワイン知識をお届けいたします!
さて、ボジョレー ヌーヴォーの時期によく耳にする「マセラシオン カルボニック」。
なんだか少し難しそうな名前ですが、実はワインの渋みを抑えて、フルーティーに仕上げるためのとてもユニークな醸造方法なんです。
興味津々のアキさんがまた塩澤さんに質問しているようです。
塩澤 悠(ソムリエ、WSET level 4 Diploma)
ボルドー大学修了、豊富な経験でお好みに合わせてワイン選びをサポート。お気軽にご相談ください!
アキさん(ワイン初心者)
塩澤さん! ボジョレー ヌーヴォーの季節によく聞く「マセラシオン カルボニック」ってなんですか?
なんだかロボットの必殺技みたいな名前で、すごく気になります!
塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)
ふふ、確かに響きがかっこいいですよね。
日本語では「炭酸ガス浸漬(しんせき)法」と呼ばれる、赤ワインの造り方のひとつなんですよ。
簡単に言うと、「ぶどうを潰さずに、二酸化炭素(炭酸ガス)で満たしたタンクに閉じ込める方法」です。
アキさん(ワイン初心者)
えっ、潰さないんですか?
ワインって、ぶどうを足で踏んだり機械で潰したりして、ジュースにしてから発酵させるものだと思っていました!
塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)
通常はそうですね。でもこの方法では、タンクの中の酸素を炭酸ガスで完全に追い出してしまいます。
すると、ぶどうの粒は酸素がない環境に置かれて、なんと「自分の酵素」を使って粒の内側で勝手に発酵を始めるんです。
これを細胞内発酵と呼びます。この中で、果皮にある赤い色素だけが果肉にじわっと溶け出していくんですよ。
この赤い色素はアントシアニンと呼ばれ、水分に溶けやすい性質を持っています。そのため、果皮にある色素が果肉へじわじわと溶け出していく仕組みです。
アキさん(ワイン初心者)
ぶどうが自分で中から発酵するなんて、生き物みたいで面白いですね!
そうやって造られたワインは、どんな味や香りになるんですか?
塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)
まず、バナナやストロベリーキャンディのような、とても華やかな香りが生まれるのが特徴で、フルーティーな味わいになります。
次に、渋みが少ないことも特徴の一つです。理由としては、ぶどうの種が潰れにくく、渋み成分であるタンニンがほとんど抽出されないためです。
また、細胞内発酵でもわずかにアルコールは発生しますが、タンニンはアルコールにも溶けやすい性質を持っています。そのため、細胞内発酵ではタンニンが抽出されにくく、渋みの少ない味わいになります。
アキさん(ワイン初心者)
なるほど、マセラシオンカルボニックで造られたワインは、フルーティでな味わいになるんですね!
<マセラシオンカルボニック製法を使ったワイン>
マヴィのボジョレーヌーヴォーは次にご紹介する「マセラシオン セミ カルボニック製法」で造られています!
どんな違いがあるか、ぜひ次回もお楽しみに。