教えて塩澤さん!|野生の力で失敗しない!ワイン造りの「ピエ・ド・キューヴ」ってなに?

2026年10月14日

ワインに関する素朴な疑問やマニアックな質問に、フランス・ボルドー大学で学んだマヴィのソムリエ 塩澤悠がお答えします!

秋といえば、11月の第3木曜日に迎えるボジョレーヌーヴォー解禁日。
数回にわたってボジョレーヌーヴォーに関わるワイン知識をお届けいたします!

オーガニックワインの生産者たちの間でよく使われる醸造工程「ピエ・ド・キューヴ」。

酵母を添加しない自然なワイン造りにおいて、安全に発酵を進めるための昔ながらの知恵です。

今回はアキさんが塩澤さんに、そのユニークな仕組みとこだわりを聞いてみました!

 

塩澤 悠(ソムリエ、WSET level 4 Diploma)
ボルドー大学修了、豊富な経験でお好みに合わせてワイン選びをサポート。お気軽にご相談ください!



ピエ・ド・キューヴってどんな製法?

アキ

アキさん(ワイン初心者)

塩澤さん! マヴィのボジョレーヌーヴォーの生産者、シュブランさんの紹介を読んでいたら「ピエ・ド・キューヴ」という言葉を見つけました。
これってどういう意味なんですか?
直訳すると「タンクの足」でしょうか……?

塩澤

塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)

ふふ、直訳するとそうなりますね。でもワイン造りにおいては「天然酵母のスターター(酒母)」のことなんですよ。
パン造りでいう「ルヴァン(元種・サワードウ)」をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
本収穫の少し前にぶどうの一部を先に摘んで、野生酵母の「元気なミニタンク」を作っておく手法です。

アキ

アキさん(ワイン初心者)

パンの元種ですか! それは分かりやすいです!
でも、マヴィのワインってぶどうの皮に元々ついている野生酵母で自然に発酵させますよね?
どうしてわざわざ、本収穫の前に別でスターターを作る必要があるんですか?

塩澤

塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)

とても良い質問です。野生酵母での発酵は自然で素晴らしいのですが、発酵の立ち上がりが遅いと、別の雑菌や好ましくない野生酵母が繁殖してワインを傷めてしまうリスクがあります。

そこで本収穫の5~7日前に、健康で熟したぶどうを全体量の2~3%だけ先に収穫して潰し、小さな容器で野生酵母をあらかじめ活発に増やしておくんです。

ちなみに、野生酵母だけでも何種類も存在するので、生産者によっては複数のミニタンクを用意しておき、それぞれの状態を比較したうえで、一番状態の良いものを使うといった、リスクヘッジをすることもあるんです。

アキ

アキさん(ワイン初心者)

なるほど! 本番の大きなタンクを動かす前に、野生酵母の「精鋭部隊」を育てておくんですね。
本番の収穫ぶどうがタンクに入った瞬間にその精鋭たちを混ぜれば、すぐに野生酵母だけで安全に発酵がスタートできるんだ!

塩澤

塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)

その通り、大正解です!
これによってテロワールの個性を最大限に活かしつつ、発酵を安全にコントロールできます。
ただ、もし準備したスターター自体に少しでも異臭や発酵不良があれば、本番のタンクすべてを台無しにしてしまいます。

そのため、造り手には非常に緻密な温度管理や観察、精度の高い衛生管理が求められるんですよ。

アキ

アキさん(ワイン初心者)

野生酵母による自然な発酵を大切にしつつ、美味しいワインに仕上げるための知恵と工夫が詰まった方法なんですね。

マヴィのボジョレーヌーヴォーはピエ・ド・キューヴを使って丁寧に発酵を進めます。

ぜひ2026年の新酒もお楽しみに!

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ぜひ次回もお楽しみに!


マヴィ自由が丘店外観
マヴィ自由が丘店
東京都目黒区自由が丘1-27-2
自由が丘駅 徒歩1分