価値あるリゼルヴァ
マニョーニ家では毎年キャンティ、キャンティ スペリオーレの2種類のキャンティを生産していますが、最良のぶどうが収穫できたヴィンテージにはキャンティレゼルヴァも造ります。最近では2019年、2022年だけです。
マニョーニ家の収穫は、キャンティで一般的な機械収穫ではなく、すべて手摘みです。それも、家族や従業員、友人、村人が集まり、1カ月半ほどかけてひとつの畑をぶどうの熟度に応じて数回に分けて収穫を行うという、極めて贅沢な収穫方法を行っています。
このリゼルヴァに使うぶどうは10月になってから収穫した、最も熟度の高いぶどうのみ。潰して皮や種と共に漬け込み、3週間のマセラシオンでしっかりと抽出を行い、古樽で仕込みます。
3年目に瓶詰され、ゆっくりとビン内熟成を経てエレガントさを増して行き、5年目以降に真価を発揮する、まさに特別の機会にふさわしい長期熟成型ワインです。
現行の2019年ヴィンテージの製造本数:10,700本
味わい
~凝縮した果実感と複雑な味わいの赤~
グラスの底が見えないほど深みのあるルビー色。更なる熟成が期待できる色合いです。
抜栓直後は、複雑さと凝縮感が強く感じられる香り。
時間が経つにつれて香りが開き、カシスやブラックチェリー、ブラックベリーなどの熟した黒果実に、わずかなバニラや甘草、クローブ、砕いた胡椒などの様々なスパイスの香りが広がります。
味わいはドライで、しっかりとした果実味とタンニンに、バランスの良い酸味が感じられます。アルコール度数も14度以上で、飲みごたえのある重口。黒果実のフルーティさに、樽由来のバニラや甘草、クローブなどのスパイスの香り、また熟成による皮のようなニュアンスなど、複雑な風味が楽しめます。
余韻も長く、グランヴァンに匹敵するような力強さと上品さのある仕上がりです。
ワインに合う料理

ローストビーフ、ステーキ、ビステッカ、ブーダンノワールなど
ぶどう品種
生産者マニョーニ家について

ファットリア マニョーニ グイチャルディーニ(マニョーニ家)- Fattoria Majnoni Guicciardini
オーガニック歴:2000年から(認証取得は2007年)
フィレンツェと世界遺産シエナへ向かう街道で、谷を挟んで世界遺産のサンジミアーノに向かい合うヴィコ デルサにあります。
この地区の典型的な地質構成である白と灰色の粘土質が重なった地質と、古代には海の底であったことに由来する赤みがかった黄砂岩の帯からなる多重構造になっています。
粘土質が主の土壌で育ったぶどうからは、ワインに複雑さやしっかりとした骨格がもたらされ、砂岩が主の土壌で育ったぶどうからは、軽やかで香り豊かなワインになります。

マニョーニ家は中世フィレンツェでメディチ家、ピッティ家と並び立った貴族で、イタリア王国では侯爵の家柄です。
現当主のピエトロさんの曽祖父は最後のイタリア国王の最側近の宮廷人・大貴族で、その息子(ピエトロさんの祖父)がグチャルディーニ侯爵家令嬢と結婚した際に、祖母が持参したのがヴィコ デルサの館(荘園)です。
日本と同様に第二次世界大戦の敗戦国となったイタリアでは、小作制度が崩壊し、ピエトロさんの父は自分で荘園経営をすることになりました。
元来ピエトロさんは、貴族の義務として「第三世界の持続可能な成長をどう実現させるか」を研究する研究者でしたが、父が病に倒れ、荘園経営を引き継がざるを得なくなりました。そして農地の持続可能性を求めた結果、オーガニックに辿り着きました。
ピエトロさんが理想とするワインは、美食を極めた宮廷人の日常ワイン。流行りのスーパートスカンのような凝った癖のあるワインではなく、昔から引き継がれた伝統的なエレガントで骨格がしっかりとしていて、重すぎず親しみやすい味。毎日飲み続けても決して飽きることなく満足できるワインなのです。
[blue]関連記事
マヴィ代表田村安のブログより
フランス王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ ド メディチと共に、フィレンチェの豊かな食文化が持ち込まれたのだから、フランス料理の源流はトスカーナにある…