ワインに関する素朴な疑問やマニアックな質問に、フランス・ボルドー大学で学んだマヴィのソムリエ 塩澤悠がお答えします!

秋といえば、11月の第3木曜日に迎えるボジョレーヌーヴォー解禁日。
数回にわたってボジョレーヌーヴォーに関わるワイン知識をお届けいたします!
前回はマヴィのボジョレーヌーヴォーの製法「マセラシオン セミ カルボニック」について解説しました。
ボジョレーの醸造方法として知られる3つ目の技術が「マセラシオン ア ショー」です。
「ショー(chaud)」とはフランス語で「熱い」という意味。
ぶどうを温めることで、一体どんなことが起きるのでしょうか?
アキさんが塩澤さんに、その驚きの仕組みと注意点を聞いてみました!
塩澤 悠(ソムリエ、WSET level 4 Diploma)
ボルドー大学修了、豊富な経験でお好みに合わせてワイン選びをサポート。お気軽にご相談ください!
マセラシオン ア ショーってどんな製法?
アキさん(ワイン初心者)
塩澤さん、マセラシオンの3つ目の製法「マセラシオン ア ショー」についても教えてください!
「ショー」ってフランス語で「熱い」という意味ですよね。ぶどうを温めるんですか?
塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)
その通り、よくご存知ですね!
「マセラシオン ア ショー」はぶどうの果汁や皮を60~75℃ほどに加熱して醸造を行う「熱マセラシオン(サーモヴィニフィケーション)」と呼ばれる方法です。
ぶどうを温めることで、通常の赤ワイン造りとはまったく異なる性質を持たせることができます。
アキさん(ワイン初心者)
ぶどうを温めると、どんなメリットがあるんですか?
なんだかぶどうのスープみたいで想像がつきません……!
塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)
最大のメリットは「超スピード抽出」と「殺菌・消臭」です。
熱を加えることで、果皮から赤い色やアロマをわずか30分という驚異的な早さで抽出できます。(本来は1週間以上かかる工程です。)
さらに、カビなどの病気に侵されたぶどうがあっても、その原因となる酸化酵素(ラッカーゼ)を熱で壊してワインの劣化を防ぐことができます。未熟なぶどうの青臭さを飛ばすこともできるんですよ。
アキさん(ワイン初心者)
短時間で色が出て、傷んだぶどうでもワインにできるなんて、すごく便利な魔法のような方法ですね!
塩澤さん(ソムリエ・WSET Diploma)
ビジネスや工場での大量生産の視点から見れば、大幅な時間短縮とコスト削減ができる非常に効率的な技術です。
しかし、熱によってぶどうに付着していた有益な微生物や野生酵母がすべて死滅してしまいます。
結果として、ぶどうが育った土地の個性や本来の味わいは消え、どこか平坦で画一的な味のワインになってしまうんです。
ですから、マヴィが最も大切にしている「土地の個性を余すことなく引き出す、本来のワイン造り」とは、まさに対極にある手法と言えますね。
アキさん(ワイン初心者)
便利さや安さというメリットの反面、ワインの個性はなくなってしまうんですね。
マヴィのボジョレーヌーヴォーは昔ながらの「マセラシオン セミ カルボニック製法」。ぜひ丁寧に造られた味わいをお楽しみください。

ぜひ次回もお楽しみに!