シチリアワインの魅力
イタリア最大の地中海の島シチリア
イタリア半島の南西に位置するシチリアは、地中海最大の島。地中海のほぼ真ん中に浮かぶシチリアは、イタリアの中でも特に日照量が多く、夏は暑く冬は温暖なぶどう栽培に適した地中海性気候です。
シチリアのワイン造りの歴史はとても古く、フェニキア人やギリシャ人がワイン造りの技術をもたらし、古代ローマ時代にはシチリアワインが広く愛されていたといわれています。
シチリアを巡る複雑な歴史
またシチリアは、地中海の要所として古代より多くの民族や国家がこの地を行き交ってきました。ギリシャ、ローマ、アラブ、スペイン、フランスなど…。その複雑な歴史の中で、多様な文化や言語、建築様式、食のスタイルが混ざり合い、現在のシチリア独特の魅力が形作られています。
アグリジェントの神殿遺跡群など、古代ギリシャやローマ時代の面影を残す歴史的スポットも多く存在し、世界中の観光客を惹きつけてやまない理由のひとつです。
シチリアの食文化
シチリアは食文化にも様々な国の影響を感じられます。イタリアらしい新鮮な魚介類や季節の野菜を使った料理が中心ですが、アラブや北アフリカの影響を感じさせるスパイス使いも特徴的です。
シチリアワインの特徴
温暖で乾燥した気候では、ぶどうがしっかりと熟し、果実味が豊かで親しみやすい味わいのワインが多く生まれています。一方で、エトナ山周辺のような標高の高い地域では昼夜の寒暖差が大きく、繊細な香りと美しい酸をもつワインが造られており、同じ島でも実に多彩な表情を見せてくれるのが魅力です。
マヴィのシチリアワイン生産者「ククルーロ家」
ククルーロ家のワインは、「安価で濃い赤」のような典型的なシチリアワインとは少し異なる魅力を持っています。
4世代にわたって農業を営んできたククルーロ家は、1990年代からオーガニック栽培に取り組んできました。以前は栽培したぶどうは大手のワインメーカーに卸すだけでしたが、元々ワイン好きでワイン造りを学んでいたフランチェスコさんと姉のキャロライナさんが、自分たちのぶどうを使ったワイン造りをスタートさせます。
父のオーガニック農業への哲学を引継ぎ、地元の土着品種を使い、丁寧な自家醸造での高級ワイン造りを志したのです。
また、標高480mの丘にある畑は、昼夜の寒暖差が12度にもなり、ブドウに自然な凝縮感と繊細さをもたらします。さらに、石灰岩と粘土質が混ざる土壌が、ワインにしっかりとした骨格とエレガントな酸を与えるため、バランスが良いワインに仕上がるのです。
手摘みで収穫されたブドウは、区画ごとに分けて丁寧に仕込み、なるべく自然のままの味わいを活かすため、濾過や清澄は必要最低限。しかも使用するのはすべてヴィーガン対応の非動物性素材。
「オーガニック=良い」ではなく、「美味しいワインのためにオーガニックを選ぶ」。そんなククルーロ家の信念と、土地への深い愛情を感じられる、洗練された1本をぜひ味わってみてください。
重すぎないエレガントな味わいは、暑い夏にもおすすめです。
ククルーロ家のおすすめワイン
フルーティなのにお肉にも合う!スタッフ衝撃の白ワイン
シチリアの地場品種グリッロは、パイナップル、柑橘類、桃、青リンゴ、白い花の香りを伴う、フルーティーでフレッシュな風味が特徴です。また、生産地域によってミネラルを感じることもあります。時にはアルコール度数が15度を超えるほどに、糖度が非常に高いことからも、フルーティですがしっかりとしたボディがあり、飲みごたえもあります。
グリッロ 白
グリッロは「初めて頼んだときに衝撃を受けるくらい美味しくてすぐリピートした」というスタッフが多数。マヴィ代表の田村は上品な和牛の焼肉に合わせる定番の1本となっています。(→マヴィ代表ブログ:黒毛和牛焼き肉にシチリア白ワイン)
白なのにお肉にも合わせられるボリューム感がありながら、フルーティで白らしい溌剌とした爽やかさも併せ持っていて、いつまでも飲んでいたくなるワインです。
エルモーザ 白
同じくグリッロを使っているエルモーザはさらに存在感が増し、より味わい深く余韻も長い印象です。爽やかさを取るならグリッロ、厚みやボリュームを取るならエルモーザがおすすめ。どちらも一度飲んだら忘れられない印象的な白ワインです。
シチリア郷土料理と楽しむフルーティなロゼワイン
コティロゼは、シチリア島の土着品種「ネロ・ダヴォラ」を100%使用しています。透明感のある美しい色合いと、ドライな酸味が楽しめるロゼワインです。グラスに注いだ瞬間に、透明感のある綺麗な色合いに思わずうっとり。イチゴやラズベリーなどの果実にすみれが入ったブーケのフローラルな香り。優しい酸味やほのかなタンニンが優しく広がります。
ワイン単体で飲むととてもすっきりした印象。まさに今の季節にしっかり冷やしてひんやりと楽しみたい味わいです。
更にお料理と合わせると、すっきりだけではないワインの魅力に気が付きます。
先日、シチリアの郷土料理「イワシのベッカフィーコ」に合わせてみました。開いたイワシで、パン粉(刻んだ干しぶどう・松の実・イタリアンパセリとオリーブオイル、レモン果汁を混ぜたもの)を包み、更に上にもパン粉をふりかけ、ローリエを添えて180℃のオーブンで約20分。
青魚ですがワインと合わせても生臭さはゼロ。イワシの脂をワインがきりりと包みつつ、干しぶどうのほのかな甘さやレモン果汁の酸味のおかげでワインとさらに調和します。
茄子のカポナータも合わせてみましたが、個人的にはイワシのベッカフィーコの方がコティロゼにはよく合っていたと思います。カポナータでは少しワインの方が強く感じられ、ワイン単体で飲んだときのすっきりした印象からは意外なほど、お料理と合わせたときにボリューム感や奥行きを感じます。
ラベルの可愛さやすっきりした印象だけではない、奥深いコティロゼにこの夏はまってしまいそうです。
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