シュトリッツィンガー家

7 個

    シュトリッツィンガー家の産地情報

    ドイツ・フランケン

    ドイツのフランケン地方は、マイン川沿いに位置するワイン産地で、冷涼な気候と石灰質の土壌が特徴です。白ワインが主で、フレッシュでミネラル感のあるワインが多く、辛口のスタイルが主流です。独特のボックスボイテル型ボトルに詰められたワインが、この地域の象徴的な存在です。

    シュトリッツィンガー家のドメーヌと畑

    フランクフルトから車で2時間ほどのクリンゲンベルグという小さな村にあります。ここはドイツの景観保存地区に認定されており、赤い屋根の木組みの建物が並ぶ景色は、まるで絵本に出てくるような可愛らしさです。この村はフランケン赤ワイン街道沿いに位置します。

    下から見上げても相当な急斜面にある畑は、登ってみるとあまりの急な角度に足がすくんでしまうほど。ただそれだけに眺めも絶景です。斜面を見下ろした先にはカラフルで可愛らしい家々が並び、すぐそばに流れる雄大なマイン川も見渡せます。

    畑は上から下までテラス式になっていて、1区画ごとに階段を上り、農作業を行います。そんな場所なので機械は一切入ることができず畑は全て手作業です。

    オーガニックへの取り組み

    オーガニック歴:1985年から(認証取得は1990年)

    シュトリッツインガー家は1972年に、現当主アニヤさんの父であるヴィリさんによって設立されました。自分でぶどうを栽培しワイン作りを行いたかったヴィリさんは、1971年に村のワイナリーで働き始め、翌年に0.5ヘクタールの小さな畑を買って自分のワイン作りをスタートさせました。

    元々環境問題に敏感だったため、1985年からビオラントの指針に基づく環境保全農業への転換を始めました。ビオラントとはドイツ最古、そして最大のオーガニック生産者団体で、1970年代から存在していました。ヴィリさんはそんなビオラントのアドバイザーも務めたパイオニアの一人です。

    そんな彼はさらにオーガニックを推進する党に所属して村会議員の重役も歴任。ワイン作りで多忙な中、こうした活動にも携わる情熱家です。 そして現当主のアニヤさんは、2年間ヴュルツブルクの農学校で学び、さらに2年マインツのオーガニックワイナリーで研修として働き、2001年に父からワインづくりを引き継ぎました。

    シュトリッツィンガー家で栽培している主なぶどう品種

    • 白ぶどう:リースリング、ゲヴェルツトラミネール、ヨハニター
    • 黒ぶどう:ポルトゥギーザー、レゲント
    • その他、地元の品種を少量ずつ複数栽培
    シュトリッツィンガー家のワイン作り

    畑の土壌

    畑の標高300メートル、土壌は砂質です。 畑にはいろんな動植物が自生しています。日当たりもすごく良くて春もすぐに暖かくなる畑です。

    栽培方法などの特徴

    テラス式になった畑は全部で2ha、作業は1区画ごとに階段を上り下りします。もちろん機械は一切使えず小さな道具だけを頼りに全て手作業で行います。

    収穫の際も、40キロ分のぶどうの入るかごを1人1人背負い、テラスごとに摘んだぶどうを下までおろし、その後また登って収穫したぶどうを運ぶ作業を15往復も繰り返します。収穫スタッフが10人、下まで運ぶスタッフが1人で行います。

    シュトリッツィンガー家は地元産のぶどうを大切にしており、世の中の流行には左右されず、今も古い品種を栽培し続けています。 アニヤさんによれば、地場品種はその土地で育つのに一番合っているから、病気にも強いし、すくすく育つそう。その中に「ヨハニター」というぶどうがありますが、この品種は栽培している人も稀で、この村ではあともう1人だけなのだそうです。

    醸造方法などの特徴

    • 丁寧に選果したあと、直接床の穴から下に落とす構造。ポンプは使用しない
    • 醸造に使用するのはドイツ製の樽に限定。ひとつは地元クリンゲンベルクの樫樽。もうひとつは栗が有名なファルツという産地の栗樽で、ファルツはお父さんであるヴィリさんの故郷
    • 酵母は添加しない。ぶどうについている酵母のみで発酵させる
    生産者メッセージ

    生産者から日本の皆さまへ

    非常に少量生産のため、ほとんどが地元で無くなってしまい、輸出は日本のマヴィのみです。それでも毎回本当に少量しか発送できません。

    地元のぶどうを育て続け、昔ながらのやり方で少量を作っていますが、ありがたいことにメダルも受賞したりと評価をいただいています。

    地元以外では、日本でだけ召し上がっていただける私たちのワインをどうぞお楽しみください。