味わい
~芯の強い味わいが特徴~
グラスに注ぐとチェリーやプルーン、カシスなど濃い色合いの果実の香りが立ち上がります。ボディとなる高めのアルコールがこれらのアロマを更に際立ています。
果実香の他にも少し革製品を思わせる香りと熟成香、インクの様な深く例えがたい香りも感じます。非常にクラシックで厳かな印象を持っています。
口に含むと、想像を超えるほどの濃厚なタンニンと舌が引き締まる感じもあります。その後にカシスや濃く煮詰めた紅茶のニュアンスが口の中に広がります。
開けたてはタンニンが固く感じられますが、翌日以降は徐々に丸くなってきます。
驚くほどの芯の強い味わいがあり、しっかりとしたボディのあるワインがお好きな方にお勧めの1本です。
ワインに合う料理
肉料理(赤身、白身どちらでもOK)、イタリアンパスタ、温野菜、チーズ
ぶどう品種
生産者マニョーニ家について

ファットリア マニョーニ グイチャルディーニ(マニョーニ家)- Fattoria Majnoni Guicciardini
オーガニック歴:2000年から(認証取得は2007年)
フィレンツェと世界遺産シエナへ向かう街道で、谷を挟んで世界遺産のサンジミアーノに向かい合うヴィコ デルサにあります。
この地区の典型的な地質構成である白と灰色の粘土質が重なった地質と、古代には海の底であったことに由来する赤みがかった黄砂岩の帯からなる多重構造になっています。
粘土質が主の土壌で育ったぶどうからは、ワインに複雑さやしっかりとした骨格がもたらされ、砂岩が主の土壌で育ったぶどうからは、軽やかで香り豊かなワインになります。
マニョーニ家は中世フィレンツェでメディチ家、ピッティ家と並び立った貴族で、イタリア王国では侯爵の家柄です。曽祖父は最後のイタリア国王の最側近の宮廷人で公爵にまで昇りつめた大貴族で、その息子で、現当主のピエトロさんの祖父がグチャルディーニ侯爵家令嬢と結婚した際に、祖母が持参したのがヴィコ デルサの館(荘園)です。
日本と同様に第二次世界大戦の敗戦国となったイタリアでは、農地解放は行われませんでしたが小作制度は崩壊し、ピエトロさんの父は自分で農業経営をすることになりました。
元来ピエトロさんは、貴族の義務として「第三世界の持続可能な成長をどう実現させるか」を研究する研究者でしたが、父が病に倒れ、荘園経営を引き継がざるを得なくなりました。そして農地の持続可能性を求めた結果、オーガニックに辿り着きました。
ピエトロさんが理想とするワインは、美食を極めた宮廷人の日常ワインです。流行りのスーパートスカンのような凝った癖のあるワインではなく、昔から引き継がれた伝統的なエレガントで骨格がしっかりとしていて、重すぎず親しみやすい味。毎日飲み続けても決して飽きることなく満足なワインです。
関連記事
ここ数ヶ月欠品しており、常連のお客さまもマヴィスタッフも再入荷を首を長ーくして待っていたキャンティ。
このキャンティの魅力は、親しみやすさ。ほどよくタンニンも感じで飲み応えがありつつ、しっかりしたお肉料理はもちろん、実は野菜とも合わせやすい味わいです。
現地を訪問した際は、初夏だったのでチーズが入った濃厚なアスパラのリゾットや、ズッキーニの肉詰めオーブン焼きと合わせました。これからの季節は、きのこやかぶ、春菊などのリゾット、ミートローフやレンコンのはさみ焼きにも合いそうです。
気負わず楽しめて、お料理や食卓に寄り添ってくれる味わいなので、「ちょっと赤ワインが飲みたい気分だな」というときに真っ先に候補にあがる1本です。