肉じゃがに茶碗蒸し?和食に似た世界の料理とワイン
外国の料理なのに、どこか懐かしい…。
食材の組み合わせや調理法を知ると、遠い国のメニューがぐっと身近に感じられることがあります。
肉とじゃがいもをじっくり煮込んだ料理、香ばしい魚の塩焼き、なめらかな卵料理。
今回は、肉じゃがや茶碗蒸しなど、私たちになじみのある和食を思わせる海外の料理を、合わせたいワインとともにご紹介します。
似ているところも、その土地ならではの違いも楽しみながら、食卓で小さな旅をしてみませんか?
ベッコフと肉じゃが|肉の旨味がしみた、ほくほくのじゃがいも
フランス・アルザス地方の郷土料理「ベッコフ」は、白ワインでマリネした肉を、じゃがいもや玉ねぎなどと重ね、陶器の鍋でじっくり蒸し焼きにする料理。伝統的には、牛・豚・羊の3種類の肉を使います。
肉の旨味を吸ったじゃがいもと、やわらかく仕上がった肉。その組み合わせは、日本の肉じゃがを思わせます。醤油とみりんの甘辛さに代わり、白ワインやハーブの風味を楽しむ、アルザスならではのひと皿です。
合わせるなら、アルザスの辛口白ワインを。リースリングの酸味が料理を軽やかに引き締め、ピノグリの穏やかな果実味は、肉と野菜の旨味になじみます。料理に使うワインと飲むワインを揃えて楽しむのもおすすめです。
ポルトガルのイワシの塩焼きと秋刀魚の塩焼き|季節を楽しむ、香ばしい魚料理

ポルトガルで親しまれている「サルディーニャス・アサーダス」は、塩を振ったイワシを炭火などで香ばしく焼く料理。6月に各地で開かれる聖人祭では、街角にイワシを焼く香りが漂い、お祭りの食卓を彩ります。
日本で秋になると秋刀魚の塩焼きが恋しくなるように、ポルトガルにも季節の風景と結び付いた魚料理があります。脂ののった青魚を、塩と火でシンプルにおいしく味わうところにも、親しみを感じませんか?
ワインは、柑橘を思わせる爽やかな酸味を備えた辛口白がおすすめ。香ばしい皮と身の旨味を楽しみながら、すっきりとした後味で次のひと口へと誘ってくれます。
フラン・サレと茶碗蒸し|卵をやさしく固めた、なめらかなひと皿

フランスで作られる甘くないフランは、卵に牛乳や生クリームなどを合わせ、野菜やきのこ、魚介などを加えて、湯煎焼きなどで仕上げる料理です。英語では「セイボリー・フラン」と呼ばれます。
だしを使う茶碗蒸しとは味わいが異なりますが、卵液をやさしく加熱して固めるところや、なめらかな口当たりはよく似ています。茶碗蒸しがだしの旨味を楽しむ料理なら、こちらは乳製品のまろやかさと具材の風味を楽しむひと皿です。
合わせたいのは、果実味のある辛口白ワイン。卵とクリームのやさしい味わいに寄り添います。きのこ入りなら少し厚みのあるタイプなど、具材と合わせてワイン選びが楽しめます。
カルソッツと焼きねぎ味噌|とろりと甘いねぎに、コクのあるたれを

スペイン・カタルーニャ地方で冬から春にかけて楽しまれる「カルソッツ」。長ねぎに似た姿に育てる玉ねぎの一種を、外側が黒くなるまで直火で焼き、焦げた皮をむいて、やわらかな中身を味わいます。
定番は、トマトやナッツ、にんにくなどを使った、ロメスコに似たサルビチャーダというソース。焼いて甘味を引き出したねぎに、コクのあるたれを添える食べ方は、日本の焼きねぎに味噌を合わせる楽しみ方にも通じます。
ワインを合わせるなら、カタルーニャの辛口スパークリングを添えて、香ばしいひと口と泡の組み合わせを楽しむのもよいでしょう。
なじみのあるおいしさから、世界の食卓へ
肉とじゃがいも、魚の塩焼き、なめらかな卵、香ばしいねぎ。国や味付けが違っても、おいしいと感じる組み合わせには、どこか共通するものがあるのかもしれません。
気になる料理に、その土地のワインを添えて。いつもの食卓で、世界の料理を少し身近に楽しんでみませんか?