Boisard family
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ロワール地方は、フランス西部を流れるロワール川に沿った広大な地域で、美しい城や豊かな自然が広がる観光地としても知られています。温暖な海洋性気候と多様な土壌が特徴で、これにより多種多様なブドウが栽培されています。
ワイン産地としてのロワール地方は、その多様性が際立っています。白ワイン、赤ワイン、ロゼ、スパークリングワイン、甘口ワインなど、さまざまなスタイルのワインが生産されており、シュナン・ブランやソーヴィニヨン・ブラン、カベルネ・フランなどが代表的な品種です。パリに近いという立地もあり、昔からパリのビストロで人気の高いワイン産地です。
ボアザール家のドメーヌは、変化に富んだ景観をもつロワール河を中心に広がるロワール渓谷地方にあります。古城がその河岸に点在ずる風光明媚な地方で、美しい森も広がっています。
畑はソミュール近くのトゥールとアンジェの間のサン ニコラ ド ブルグイユにあります。
1989年にご両親が買われた9haの土地をファビアン、シリルのボアザール兄弟といとこのピエールが伝統とテロワールを尊び、力を合わせてワイン造りに取り組む形で受け継ぎ、1996年よりワイン造りを始めました。当時の畑面積は3haでしたが徐々に拡大して、2007年には12haとなりました。
と、着実に自分たちの目指すやり方で一歩一歩自らの手で進めています。
オーガニック歴:認証は1998年より
自然を守り、ぶどう畑を最良の状態に保つためにオーガニック栽培をしています。ただオーガニックの基準(化学農薬・化学肥料・除草剤・遺伝子組換不使用)を満たすのではなく、ぶどうが自らその土地に存在するオーガニック物質で育つように、伝統に従って土作りをしています。
生まれてからほとんど同じ場所に住み続け、地元を大切にするボアザール家らしい選択です。
「自然に対するのではなく、自然と共にという職業上の哲学から始めました。私たちは農業の経営者ではなく、農民であり、職人であり、ぶどう栽培者なのです。私たち人間は母なる大地に被害をもたらしました。だからこそ、大地を守らなくてはなりません。」
ファビアンたちは、オーガニック農業に取り組むだけではなく、住居を含むドメーヌ全体で環境対策をしています。
ファビアンの夢は全ての生物が調和して生きる大地。人間が、大地や自分以外の者を尊重する責任があると自覚すること。
「私たちは他のたくさんの生物のなかの、人間という生き物のひとつでしかないのですから。」
生まれ変わったら何をしたい?と聞くと、「何か環境に関わる仕事、エコロジカルな建築、または環境計画の開発」とのこと。
趣味も、自分たちの家の建築や、動物を使って畑を耕すこと、動物耕作のための組合、オーガニック農業促進組合、スローフード組合、よい製品や環境にやさしい製品を発掘することと、オーガニック道まっしぐらです。(サッカーやスカッシュといったスポーツも好きだそうです)
・白ぶどう:ソーヴィニョンブラン、ムニュピノー
・黒ぶどう:カベルネフラン、カベルネソーヴィニヨン
畑はソミュール近くのトゥールとアンジェの間のサン ニコラ ド ブルグイユにあり、砂質(堆積・ロワールの古い沖積土;サーブル)、砂利質(石灰土とシレントの小石;グラヴィエ)、粘土石灰質(石灰土)の3種類の地質から成っています。
大西洋の影響を受けた温暖な気候です。畑は森の南のはずれの斜面にあり、さらに南に3km離れたところにロワール河があります。ぶどう造りに適した土地です。
グラヴィエ畑と比較するとサーブルは土に水をためられるため、ぶどうの根がそこまで深くは伸びず、そのためワインの味わいの仕上がりがやや複雑さに欠けるとのこと。それにひきかえグラヴィエの畑はとても深くまで根を伸ばすのだそうです。
畑の近くに、この土地の地層がわかりやすく断層として見えるところがありました。石灰岩が切り立った崖のようになっているところを指して、これがまさにこの土地の地質の特徴だと説明してくれました。この石(ロワールではテュフォーと呼ばれています)を使って、ここロワールでは城や家などさまざまな建物が造られているそうです。
ボアザール家もそのテュフォーをくりぬいて造った天然の素晴らしい、ワインに最適なカーヴに恵まれています。50樽も保管できるそのカーヴは圧巻です。